計画

計画立案は計画を練り上げることからなる。それは知的な活動をともない、何を、いつ、どのように行うべきか、どのような行動をとるべきか、誰がそれに責任を負うのか、そしてなぜそれらの行動が必要なのかを定める。計画立案はふさわしい選択肢を選ぶことからなり、組織の階層が高いほど、計画が見通す期間は通常長くなる傾向がある。計画立案は、組織が進む方向と、その最終的な目標を達成するために用いるべき方法と手段を選ぶ過程と定義できる。

計画立案とは、企業の目標、その方針、プログラム、そしてそれらを達成する手続きを選ぶ機能である。計画立案が意思決定の過程であることは疑いない。選択肢のなかから選ぶことを含むからである。計画立案は、組織が働くことになる環境の特性を予測することと、どこでどのように行動するかについて決定を下すことの双方を包含する。

ただしここから、あらゆる決定が計画立案をなすということは導かれない。定められた目標を達成する効果的な道筋を選ぶことに向けられた決定は、マネジメントの執行機能の一部とみなすほうがよい。計画立案の過程では、現在の決定が必然的に将来に影響する。これはなによりも資源の配分と組織の戦略に当てはまる。

長期計画は、単に長い期間について計画することにとどまらない。それは切れ目のない計画立案の過程であり、その広い射程は、将来についての新しい思考の様式、企業活動と産業生活の新しいあり方を反映している。人々の協調した努力、その機能、活動の成果、そして組織の外的要因を保証する力として、長期計画はマネジメントの科学、実践、一般的な哲学にもとづいて発展する。長期計画は、傾向と発展の方向を見きわめて商業活動を予測すること以上のものである。それはさらに進んで、管理機構が将来の好機を活かし、不利な傾向による損害を最小にし、組織の目標の達成を保証することを直接に助ける。

長期計画のシステムが働いた結果として、予測される条件のもとでの企業の振る舞いを記述する、階層的な計画の集合が作られなければならない。これらの計画は次の三つの重要な特性をそなえていなければならない。

  • 将来を見通す志向。その度合いは、計画が定式化される機能領域と組織の階層に左右される。
  • 全体の計画を実施するうえでの役割と課題にしたがった、組織の各要素の評価。
  • 組織の主要な指導者が自ら関与すること。

計画の各階層は、その上位の階層の要求にもとづいて組み立てられ、共通の目標によって結ばれた特定の種類の活動に注意を集中しながら、計画のその部分を具体化する。計画の体系はあらゆる期間を覆い、組織のあらゆる階層で、また研究から管理事務に至るその活動のあらゆる機能領域で計画を立てることを可能にする。

本質において長期計画はシステム分析の目的に資する。というのも分析は個々の決定にも適用しうるし、問題を将来の全体的な計画に結びつけずに解くこともできるからである。したがって戦略的な決定とその分析は長期計画の不可欠な一部ではあるが、長期計画と同義ではない。

戦略計画。組織の戦略計画は、そのあらゆる計画の頂点にある。それは現在と将来の双方について、企業の最も一般的な目標と戦略を定める。それは次のような問いに答えを与える。

  • 組織の全般的な目的と役割は何か。
  • 現在の状態から将来の競争上の地位へ移行するには、どのような戦略が必要か。
  • 組織内で練り上げられたほかの計画を背景として、組織の全体的な戦略はどれほど現実的に見えるか。
  • この組織は、自らがその一部をなすより複雑なシステム(社会的、経済的、政治的なシステム)の構造のなかで、どのような位置を占めたいと考えているか。

戦略計画の重要性は、組織のあらゆる階層における計画上の決定に、最初の指標を与える点にある。戦略計画は、プロジェクト計画が組織のほかの計画と両立することを確かめる一般的な文書である。

発展計画。計画の次の階層は企業の発展計画であり、新しい製品やサービスの導入にかかわるあらゆる活動を覆う。同時にこの計画は、戦略計画で定められた将来の地位に組織がどのような道筋で到達するかを、より詳しく描き出す。企業の発展計画は次の問いを扱う。

  • 我々の製品やサービスにどのような需要が見込まれるか。将来のこの段階で、我々の組織には何が期待されているか。
  • 新しい製品と新しい市場を見いだし定めることを可能にする、どのような好都合な条件を組織内に作らなければならないか。
  • 利益を生まない投資や製品、そして不当にリスクの高い事業を見つけ出すには、どのような方法を用いうるか。
  • 新しい製品やサービスは、どのような資源の所要量を課すことになるか。

企業の発展計画は、次の階層にある三つの計画の指針となる。

製品の打ち切り計画は、組織の個々の要素の稼働を縮小し清算することを扱う。これらの要素は、企業(組織)の製品、サービス、あるいは固定資産でありうる。

多角化計画には、新しい製品とサービスを生産し、現在の世代の製品に取って代わることを意図した市場を開拓する方策が含まれる。それは新しい生産領域を見いだし、その開発への道筋——ほかの組織との合併か、自らの能力と経験にもとづいて組織自身の内部で研究開発を行うか——を定める。

研究開発計画は、新しい製品を作り出し、それらの製品への既存の需要に応えるプロセスを見いだす活動、あるいは現在製造されている製品や既存のプロセスの新しい市場を見いだす活動を定める。この計画にしたがって組織は、当該領域における知識と専門性の水準を高めることを目的とする基礎研究と応用研究を行う。この計画はなんらかの形で、製品、販売、財務、管理事務を含む組織のあらゆる要素に影響する。

運用計画は、戦略計画の実施を保証する二つの計画の一つであり、組織の当面の活動の枠組みを定める。それは、現在生産されている製品とサービスを既存の市場に位置づけることにかかわる行動を方向づける。運用計画は各機能領域(生産、販売、財務、管理事務)ごとに別々に練り上げられ、当該領域にかかわるプロジェクト計画の不可欠な一部をなす。

運用計画は作業の総量を定める。特定の領域においては、作業を論理的なオペレーションへ細分し、その順序を定め、資源を配分し、作業の主要な実施者のあいだで権限と責任を配分する枠組みを立てることを可能にする。これらの同じ計画にもとづいて、全般的な作業日程と予算が練り上げられる。これらの計画は部分的には周期的である——新しい企業の設立、組織的な活動、日常の手続きを扱う場合がそれにあたる。

プロジェクト計画。プロジェクト計画は、ほかの計画のなかの具体的なプロジェクトを含む。たとえば企業の発展計画は、その実施のための一連の特別な計画によって支えられ、個々の行動の細部を覆う。プロジェクト計画は、計画の体系がそこから組み立てられる基本的な構成要素である。その性質からして、これらの計画は短期のことも中期のことも長期のこともある。それらが際立っているのは、費用、期限、技術的な成果によって指定された、明確に定められた作業項目の集合と結びついている点である。プロジェクト計画は組織のあらゆる階層に見られる。その具体的な志向のおかげで、作業の成果を監視するのにきわめて有用である。

プロジェクト計画は、製品の開発と実施の過程を詳しく記述しなければならない。プロジェクトの作業のマネジメントは機能別マネジメントの線を横断するので、具体的な作業計画が存在することが成功の不可欠な条件となる。プロジェクトに参加する人と組織が、競合する、あるいは対立する目標をもちうるからである。

それはプロジェクトについて次の問いに答えを与える。

  • なぜこの作業が必要なのか。
  • どのような行動をとるべきか。
  • 行動を支えるにはどのような資源が必要か。
  • 行動の結果は何か。
  • これらの行動の結果はいつ見込まれるか。
  • 行動はどのような目標と条件を満たさなければならないか。