ロシア語のрешение(レシェーニエ)という語は、日本語のどの一語よりも意味が広い。システム分析と意思決定理論の文脈では、次の意味を区別することが重要である。
- решение=選択肢の集合——選択を行う人がなんらかの仕方で特定した、検討対象の可能性。
- решение=意思決定——最も望ましい選択肢を探索する過程であり、熟慮、問いや問題の検討、そして正しい答えを見いだすことをともなう。
- решение=解——この探索によって得られた答えそのもの。たとえば選ばれた一つあるいは複数の選択肢、ある問題や数学の課題を分析した結果。
- решение=決議、命令、裁定——政令、規程、指令、命令、立法機関と行政機関の法令、および司法その他の裁定。
専門的な意味での意思決定とは、利用しうる選択肢のなかから、ある意味で最良の選択肢、あるいは複数の望ましい選択肢を、根拠をもって選び出すという、人間の活動の特別な一形態である。
システム分析、オペレーションズ・リサーチ、意思決定理論において、選択(意思決定)は、選択肢の集合に対する操作であって、その結果として選ばれた選択肢の部分集合が得られるものと定義される。通常それは一つの選択肢、一つの代替案だが、必ずしもそうとはかぎらない。
選択は最適化と密接に関係している。最適化とは最適な選択肢を選び出すことにほかならないからである。意思決定の過程は、個人の活動においても集団の活動においても中心的な要素である。
選択の状況はそれぞれ、さまざまな形で展開しうる。
- 選択のための選択肢の評価は、一つあるいは複数の基準(ベクトル最適化)によって行われうる。それらの基準は量的なもの(効用は基準の一例である)のことも、質的な性格のもののこともある。
- 選択の様式は、一回かぎり(単発)のこともあれば、反復されることもある。
- 選択の帰結は、確実にわかっていること(確実性下の選択)も、確率的な性格をもつこと(リスク下の選択)も、帰結が不確実であること(不確実性下の選択)もある。